2004, SHINKANSEN goes to 関西

2004.1117 水
 午後11時。新宿の職場から家に帰って、荷物を持って再び新宿駅西口へ。集合場所の銀行前にはたくさん人が来ているが、いろんな路線の夜行バスの発着があるらしくまぎらわしい。しかも自分が乗るのは到着がすごく遅れていて、他のバスに次々追い抜かれていく。係の人も訳が判らなくなっていて間違った車を案内されたりする。
 予定出発時刻を30分以上遅れて、しかも当初の集合場所からだいぶ離れた場所にバスが着いたと言われて移動。すでに体は冷え切っている。初めて夜行バスに乗るので広いんだか狭いんだか相場が判らないが、まあこんなもんか。あんまり眠くないので車中で本を読んでいると、12時過ぎで消灯してしまった。仕方ないのでカーテンの隙間から景色を見たり、携帯の位置情報で現在位置を確かめたりして時間をつぶす。途中何回かインターチェンジに降りてトイレ休憩があるので、眠くなってきてもゆっくり寝られず。寝られないときっと退屈で辛いだろう、と思っていたのだが、存外あっという間に京都まで来て、次の梅田に止まる時までが5分くらいに感じた。うつらうつらしてたんだろう。
 
2004.1118 木
 日付は変わっていたが、梅田駅前に降りた時が18日、という感じ。そのまま阪急梅田駅に入り、そこから5駅くらいの親戚の家に行く。
 仮眠を取ったり祖母の話し相手をしたり半年分くらいの蜜柑を食べたりしてるうちに一日が終わる。実に何もない、いい一日。

2004.1119 金
 阪急電鉄で京都まで、適当に行ってみる。終点まで乗ったらデパートのやたらあるあたりに出てしまい、バスに乗って金閣寺に行く。雨上がりの紅葉は美しかったですが、あっという間に見終わってしまう。戻って通りを端から端まで歩いて適当に寺など見る。ここで買った唯一の土産は焙じ茶。ジミ。戻ってひたすら通りを行ったり来たり。親戚の家に戻り、ごっついお好み焼きをご馳走になる。

2004.1120 土
 起きると家には誰もいない。台所でぼんやりテレビを見ているとやがて祖母が叔母と帰宅した。祖母が風邪気味とのことで病院に行っていたらしい。朝食後、バスで駅に向かい、梅田へ。
 地理がさっぱり判らないのでやたら迷いつつ、なんとかdistaを探し当てる。moriuo氏の個展を見て、これまた当てずっぽうで、PLuS+メイン会場の扇町公園に向かう。ここでイマイズミコーイチと合流。公園にテントがいくつも張ってあり、チケット(8枚綴りになっている)を買ってそれぞれへの入場やサービスに引き換える仕組み。リーディングや劇、写真展などを見ているうちに日が暮れる。劇の会場でもあったカフェではガチャポンがあって、オリジナルのバッチが買えるのだけど、イカしたデザインのものが多くて、ついいっぱい入手してしまう。後で知り合いに見せたらミョーに好評だった。敷地内のグラウンドでは子供がサッカーの練習をしていた。それが異様にシュールな感じ。僕らが日向ぼっこしている側はドラァグのひとやら何やらいるんだけど、何だか無関係にそれぞれの世界が成立している。
 暗くなって来てからメインステージでショウが次々にあり、やがて公園でのフィナーレを迎える。非常に語弊があるのだけど、暗い方が馴染むなあ。昼間はなんだか、会場の広さがなんだかえらくたくさんあるみたいに感じられてしまって、人出も決して少なくないというのに、イベントが地面から浮き上がってしまうような不安が感じられる瞬間が時々。

 イベントとしてはここで8割方終わり、という感じなのだけれど僕らはこれからが本番だ。これから近くのクラブ、JACK in the BOXであるパーティー「PORNO&STAR」で「Queer Boys and Girls on the SHINKANSEN」の上映がある。
 8時半に会場に入って、準備をしているスタッフの方にお願いして映写チェック。フロア正面と、バーカウンター背後の右側面にプラズマがあって、音はそのままクラブの音響設備で出る。テレビ表示画面と作品の縦横比が違うので直そうとするが、誰も判る人がいなくて、しかも操作用のリモコンの電池が切れていたりして焦る。ギリギリ万事を何とか片づけて、9時をちょっと過ぎて開場。
 当初の予定では上映前に来ている監督・出演者などに挨拶をしてもらう筈だったのだが、開始前に全員揃わず、仕方がないのでちょこっとだけ挨拶して5分遅れでスタート。映像は問題なくキレイだけど、流石にクラブ仕様なのか、音は低音がかなり効いてしまい、ちょっとこれまで聞いたことのない感じで再生される。
 スタート時のお客さんは大体60人くらい。上映中にぱらぱらと入ってきたので最終的には80人くらいではなかったかと思う。そんなに狭苦しくは無い人数だったけど、床に座ってもらうのが申し訳ない。観ている人の反応は何とも独特で、大体の人がじっとしている。途中で出ていってしまう人はほとんど居なかったが、反応らしいものがあまり判らなかった。僕は最後の頃は入り口近くの最後部にいたが、そこら辺にいた人はさすがに映画目的で来た人ではないらしくて、雑談をしていた。純粋に映画だけを観たい、と思ったらイベント入場料は高いし、パーティに来て映画、だとこんな雰囲気になるのかな。観てくれた人と色々話せれば良かったのだけど、場所柄ぜんぜん落ち着いて話は出来ませんでした。
 終了後、やっとこさ揃った関係者に舞台挨拶をしてもらう。舞台上ではイマイズミコーイチがやたらもじもじ、気が付くと他の人が喋っているウチに壇上から降りてしまい、照明の当たらないところでへにょばっている。わちゃあ、とバランス取るつもりで自分がやたら喋ってしまい、何えらそうなこと言ってんだかよ、と喋るのと同時進行で冷や汗が体の内側にめり込んでいく。ついでに宣伝したサントラCDは売れやしませんでした。上映イベント終わってでは、という感じでクラブ営業スタート。あ、画面の縦横比を直さなきゃ、と思いつつ人の波に押されて一旦外へ出てしまう。地元の人に連れて行ってもらって夜飯を食い、感想などを聞く。
 それからは割と内外を行ったり来たりで、外では裏路地の廃冷蔵庫の写真撮ったりとまあおよそ建設的でない時間の過ごし方をしましたが、やがて朝になり、お開き。控え室のPLuS+のスタッフの方々にご挨拶。これから始発の新幹線に乗って、東京へ帰らないといけない。

 ちっとも意識的に写真を撮らなかったので、確認したらこんなのばっか。

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