スタッフ略歴


たかさきけいいち:原作

幼少時から藤子・F・不二雄(『ドラえもん』)、手塚治虫(『鉄腕アトム』)、大友克洋(『アキラ』)といった日本漫画のスタンダードな流れに接しながら育つ。1996年、ゲイ雑誌「Badi」の編集者から「ゲイ自身で日常的なカットを描く人間が不足しているから」と声をかけられ、イラストレーター・漫画家としてデビュー。以後「Badi」「G-men」誌など、当時の新興ゲイ雑誌の独特の人材の少なさと、自由に作品を描いていい空気、また時代性に恵まれ、個性的な漫画作品と多数の小説挿絵などを発表。また、HIV啓発コラムのカットなどを8年間近く担当する。2004年、habakari-cinema+recordsが企画したオムニバス『Queer Boys and Girls on the SHINKANSEN』に自身初の映像作品となる短編『199X 年の必殺技』で参加した。今作の原作漫画『すべすべの秘法』は2005年に12ページの短編として発表されたもので(「ウラゲキ vol.4」古川書房)、映画化に際しては監督の今泉浩一と共同でプロットと脚本の再構成と加筆を行った。

田口弘樹:撮影監督/スチール写真

1984年よりフリーカメラマンとしてコマーシャルフォトを手掛けるかたわら、1995年の「G-men」創刊を期に、「G-men」「Badi」「ファビュラス」などゲイ雑誌でも作品を発表し始める。ゲイ雑誌以外の作品としては、フォトエッセイ『ゲイ・スタイル』(河出文庫:エッセイ・伏見憲明/1998)、NPO法人「ぷれいす東京」発行による冊子「LIVING TOGETHER manual」「Living Together LETTERS」「LIVING TOGETHER KANAGAWA」(共に写真/2003〜)など多数。2004年、habakari-cinema+recordsが企画した『Queer Boys and Girls on the SHINKANSEN』において短編『かがよひ』を初監督し、加えてメインヴィジュアル写真を担当。『初戀』ではスチール写真を担当した。2007年8月にはジャカルタでの『初戀』上映に合わせ、初の海外での写真展を開催、2008年にはメルボルンで開催されたフォト・エキシビジョン「MEN LIKE ME」に出品した。また2009年には「田口弘樹写真展 - I fall in love too easily -「Badi」創刊15周年記念/akta」を開催。今泉浩一の前作『家族コンプリート』に続き今作でもスチール写真と撮影監督を兼務している。


岩佐浩樹 (PEixe-elétrico):音楽/音響/制作

1995年より音楽制作を始める。1999年、"habakari-cinema+records"の設立当初より参加、'PEixe-elétrico'名義で以後全ての作品『憚り天使』『NAUGHTY BOYS』『Queer Boys and Girls on the SHINKANSEN』『Queer Boys and Girls on the SHINKANSEN』では10本中4本分)『初戀』『家族コンプリート』の音楽及び音響を担当する。2001年には初監督作品『grey SILENCE』を発表した。映画音楽以外の作品としては、川口隆夫ソロパフォーマンス『夜色[ヨルイロ](2001〜03)』への楽曲提供、砂山典子ソロパフォーマンス『First Class Barbarian(2007)』における音響などがある。2009年には第二作となる短編『卜凸』、第三作『傘脱』を監督。その後も映像作品『う(2010)』『指佛(2010)』『BH-SP(2013)』『偏陸の武医道(2013)』を監督。また2010年より断続的に、主に廃棄物を使用したインスタレーション作品を制作・発表している。本作では音楽と音響、制作を担当した。


赤岩保元:題字

キャストページ参照。


川口隆夫:英語字幕翻訳

大学時代より演劇、パフォーマンスアート、ダンスなど幅広く数多くのプロジェクトに参加する。その後、スペイン留学を経て、1990年よりダンスカンパニー"ATA DANCE"を吉福敦子と共同で主宰し、多くのダンス作品を発表する。1996年からはパフォーマンスグループ「ダムタイプ」に参加し、『OR』『メモランダム』『ヴォヤージュ』に出演。並行して2000年より『世界の中心』(2000年、パークタワー・ネクスト・ダンス・フェスティバル)で独自にソロ活動を開始。主な作品に『夜色[ヨルイロ](2001〜03)』、『ディケノヴェス(2003〜)』、『D.D.D.(2004〜)』、 『TABLEMIND(2006〜)』、『グッド・ラック(2008〜)』、『大野一雄について(2013)』などがある。また、2008年より「自分について語る」をテーマに、毎回個人的なエピソードとサイトスペシフィック(その場所の特徴を作品中に取り込む)な構成で『a perfect life』シリーズを国内外各地で継続的に上演している。 他に、照明デザイナー藤本隆行(ダムタイプ)、ダンサーの白井剛、音楽の真鍋大度らとともに制作した『true/本当のこと(2007〜)』、ディック・ ウォン、今泉浩一と制作した『Tri_K(2010〜)』、『The Memory Palace of Matteo Ricci(2010)』、『Bauhaus Manifesto(2011)』共にズニ(香港)、『Borrowed Landscape Yokohama/横浜借景(2011〜)』、『赤を見る(2011〜)』、『Kite(2012~)』、『A Scattered State of Silence(2012~)』、『病める舞姫をテキストに(2012~)』、『Node/砂漠の老人(2013~)』など多数の作品に出演、国内外で上演を重ねている。1996~99年にかけては東京国際レズビアン&ゲイ映画祭のディレクターを務めた。また、芸術関連記事や映画の字幕など翻訳業に従事、共同翻訳として『クロマ』(デレク・ジャーマン著、アップリンク/2003)がある。今泉浩一の『初戀』『家族コンプリート』に続き今作でも英語字幕翻訳を担当している。
公式サイト KAWAGUCHI TAKAO.com


今泉浩一:監督/脚本/編集

1985年より飴屋法水主催「東京グランギニョル」に参加、『ライチ・光クラブ』でデビュー。1990年、佐藤寿保監督作品『激射・なぶる!』で映画俳優に転向。以降、ピンク映画を中心に現在まで100本以上の映像作品に出演する。1999年、岩佐浩樹とともに映画・音楽制作レーベル“habakari-cinema+records”を 立ち上げ自主映画の制作を開始、短編映画『憚り天使』を監督する。2002年、長編映画『NAUGHTY BOYS』を監督。2004年、10人の監督による10本の短編作品を集めたオムニバス映画『Queer Boys and Girls on the SHINKANSEN』を企画・製作、自身も短編『キスしてほしい』を監督する。2007年、長編映画『初戀』を監督。自作としては初めて国内で劇場ロードショー公開され(シネマアートン下北沢、大阪プラネットプラスワン)、2008年、第58回ベルリン国際映画祭パノラマ部門に正式招待される。2010年、5作目となる長編映画『家族コンプリート』を監督、第34回香港国際映画祭でワールドプレミア上映される。一貫して「ゲイの恋愛とセックス」をテーマにした作品を撮り続け、監督の他、脚本、撮影、編集、出演をこなす、日本では特異な存在。過去に制作した作品全てが、国内外のL&G映画祭を中心に数多くの国際映画祭で上映され、評価されている。『すべすべの秘法』は通算6作目となる監督作品であり、初の原作物である。
また2000年、第4回パークタワー・ネクスト・ダンス・フェスティバル、川口隆夫 & March2000『世界の中心』にパフォーマーとして出演。2010年には香港のパフォーマーであり俳優でもあるディック・ウォン、川口隆夫とともに、ダンス、テキスト、ドラマ、映像という複数の次元をコラージュしたパフォーマンス「Tri_K」にパフォーマーとして出演、東京、神戸、香港、リスボンで公演し、2012年には金沢、ベロ・オリゾンチ、サン・パウロ にてツアー公演を行った。プロジェクトは現在も続行中。



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