2008.0424, thu

 情報が錯綜したものの結局ブレックファーストインクルーディングつうことで9時半過ぎに起きてはみたがイマイズミコーイチが居ない。見ると扉の外に置いてあるソファーで寝ているが、蚊は大丈夫なのか。「朝ごはん、だけど」と言って揺すってみると「んあ?」とか言って起き出し、「なんか冷房が寒くて外で横になっていたら鳥の声が聞こえて気持ちよくて寝ちゃった」だそうでした。よくよく聞くとテープっぽいが、これだけ緑が多いならいいかもしれない。全ての部屋の前には溝が掘られて水を張ってあり、そこへ魚を放してある。魚の跳ねる音などが時々する。いいなあ、などとさっきまでイマイズミコーイチが寝ていたソファに腰掛けてぼんやりしていると白いシャツにサルン(いわゆる腰巻き)姿に赤くてでかいビニール袋を持った人がやってきてニコニコしている。ホテルの人は誰でも通りすがりに笑顔を見せてくれるのだがこの人も従業員かなあ、と思ってこちらもニコニコしてみたら彼は二三歩近づいてきて「私はここのオーナーです。ニーノから昨日ご到着と聞きましたのでご挨拶に」とか何とか言うのでたまげて室内のイマイズミコーイチを呼びに行く。2人で従業員もといオーナー様にご挨拶。「とてもいいホテルですね」とお世辞ではなく言うと彼はまた笑って「そうですか、それは良かった。ではごゆっくり」と言って去っていったがここだけの話だけどマッサージの人かと思ったよ、と言うとイマイズミコーイチ、「ぼくはお掃除の人かと(略)」


鯉のような、鯉でないような

 さて引き続き水音にうっとりしているとモーニングが終わってしまうので我に帰ってプールサイドを横切る。ナミさんと3人で席に付いて、ブッフェ形式なのでパンとか取り放題である。別カウンターではその場で卵も焼いてくれるし、とてもよい。超うまいパンケーキ(バナナ入り)などを食いながらさて今日はどうするよ、と話し合うが、まずは泳ぐかな、などと話しているとさっきのオーナー様がこっちのテーブルへやってきて名刺をくれた。ポールと呼べばいいらしい。彼も友人が来ているらしく、向こうの皆さんに紹介してくれる。「残念ながら私は今日の夕方からバリに行くのであなた方の映画は観られない」というのでじゃあニーノにプレビューを見せてもらって、と言っておいた。インドネシア、素晴らしいネットワークだ。食事を終えて水着を取りに部屋に戻る途中でイマイズミコーイチとナミさんがマッサージコーナーに引っ掛かる。人目に付かない、はじっこの四阿みたいなところにマッサージ室はあって、2人は中に入り込んで値段表などを見ていたがそしたら担当の方が来たのでいろいろ質問をして(いるようだった、わしは受ける気ないので傍観)、「すぐにでもできるって」と2人ともまずマッサージのようでした。じゃあ僕は先に泳いでる、と部屋で着替えて、マッサージ組と3人、また部屋の外で集合するとポールが通りかかり、するとナミさんが「そうそう、この辺でスーパーとか無いですか、ビールとか水とか買いたいんですけど」と聞く。よく考えればオーナー様に聞くような質問ではないが、ポールはまるで動じずに「スーパーなら歩いて5分くらいの所にありますよ。もっと大きなショッピングモールは車で行かないといけませんが」と教えてくれた。ありがとう。

 さて自分は誰も入っていないプールに浸かる。いきなり極楽である。片側は肩くらいまでの深さしかないが、反対側に行くと足が付かない。おそらく幼児用の膝くらいまでのプールも併設されているが、そっちはあからさまに水がぬるい。楽しいなあ、と浮いたり沈んだりであっという間に一時間、するとまたポールが(よくお会いしますね)プールサイドを横切り、「買い物に行きたい?もし私の運転手が空いていれば車を出すよ」と言ってくれる。部屋のミニバーは高いのでその辺で買う、というセコい客のために車を出してくれるんであるすいません。「ありがとう、いま2人はマッサージ受けてるから、1時間後くらいになるけど」と言うとポールは「オーケー、じゃあその頃にまた来る」と言ってどこかへ歩いていった。いい人だ。やがてマッサージを終えたイマイズミコーイチがやってきた。「もう、なんかね…」であとは言葉にならないらしいが異様に幸せそうである。ナミさんは開始が若干遅かったので「いま、ほぼ全裸で揉まれてる」だそうです。イマイズミコーイチも水着になって迷わず幼児用プールでえんえんバシャバシャやっており、深いプールとの境にある手すりに掴まってバタ足を練習しだしたが「どうして足を動かすと後ろに進むんだろう?」などと器用なことになっていました。


鰐のような、鰐でないような

 ナミさんも戻ってきたが「私は今日は泳ぐのは無しでいいや」ということで買い出しに行きましょうか両替もしないとだし、と思っているとポールがやってきて「付き合えるけど、15分くらいで出られる?」と聞いてきた。はい、と言って急いで支度をし、さっきレストランで会った若い男の子も含め5人で車に乗り込んだ。もちろん運転手さんが居るのである。車はずいぶん走って、かなり北の方に向かっているようだ。途中「スハルティ」というジャカルタでも何度も行ったうまいフライドチキン屋があったので色めき立つ僕らを見てポールは「ジャカルタ店?ダメダメ、この店はジョグジャカルタが発祥の地だから、こっちの方が断然旨い」と言うのでそういや昨夜ニーノも同じこと言っていた、これは是非行かねば。そうこうしているうちに車はでかいショッピングモールに着いた。「僕らはご飯食べてるから、時間を決めて入り口のスターバックスに集合しよう」とポールは言って、自分たちは地下のスーパー(カルフールだった)に入る。とんでもなくでかい。ここぞとばかりにビンタンビールと水とお菓子と…とでやたら重い買い物をし、さっきATMで自分の口座から出金したインドネシアルピアを持っているナミさんにちょっと借りてお会計、ナミさんは自分の海外用携帯に入れるシムカードを買いに携帯屋に行くが、普通の携帯ショップではなくてカード屋で買え、と言われて店を移動、そこの兄ちゃんとどれ買ったらいいかを交渉するが、何とも複雑なシステムで全然判らない。「まず会社が複数あるのと、とどのつまりいくら払えば帰国まで持つのかさっぱり」ということで断念してポールにヘルプを求めましょう、とスタバに行く。約束の時間を過ぎているがポールはいない。さっき別れた場所に居るだろうから、とナミさんは荷物を置いて地下に戻り、僕らは飲み物を買って(どこでも高いスターバックス)屋外席で喫煙、あ~暑いね。程なくしてナミさんが戻ってきて、「いないや~」と自分もコーヒーを買ってきたが何でグランデサイズを、と聞いたら「一つサイズを間違えた、日本の感覚で頼んじゃった」だそうですがショートサイズがないんですね、ここ。

 ナミさんがバカでかいコーヒーに口を付けた、とその時ポールが姿を現した。ややタイミングが悪いがナミさんは再びポールと地下へ行ってシムカードを探してくると言う。自分はこってりクリームの乗ったアイスココアなぞを吸引している。かなり後になって戻ってきたナミさんはヘロヘロになっており、「何かもう、ここの携帯は絶対一人では無理」だそうでお疲れさまでした。ポールが連れていた男の子(さっきも手をつないでいたけど恋人か?)がジャカルタに帰るというので先にお見送りをし、やっと4人で座ってお話をする。ナミさんは英語が堪能なので自分らはほぼ傍で聞き役に徹していられるのでナミさんありがとう。良く聞けばポールはあのホテルを経営している一族の生まれで、若い時にインドネシアを出、いろいろあって今はサンフランシスコに住んでいるのだそうでした。アメリカではギャラリーやったり振付師でもあったり、趣味で映画(ハーヴェイ・ミルクの伝記映画とか)に出たり、とまあ色々活動しているのでした。サンフランシスコのインドネシア公使館でやったファッションショーの写真(彼が振り付けた)やら映画の撮影風景などを見せてもらっているウチにあれ、見覚えのある写真が…彼のポートレートだから当然なのだが、この写真は…、そうだFacebook(アメリカのでかいSNS)で見たんだった。ジョン・バダルのところに「友人」で居たはず。なんだあんたか。とは言いませんでしたがこの写真は以前見たよ、とポールに言うと「たまにクラブとかで『ポールさんですよね?』とか全然知らない人に言われるよ」と笑っていた。Facebookおそるべし。


シムカード、どれを買ったらいのやら

 話はたのしく進んだが、そろそろホテルに戻らないと。ニーノと約束してたマリオボロには行けそうにないのでポールから予定変更を電話でお願いしてもらって(何から何までオーナー様にやらせるわたくしたち)車でホテルへ戻り、ついでにどこで両替したらレートがいいかな?と聞くとポール、「ホテルに両替屋を呼んであげよう、幾ら換えたい?」と言ってくれる。何から何までオーナー様に(略)、ホントすいませんもうすぐバリに出発だというのに…。車中でもひっきりなしに電話していて、インドネシア語だからよく判らないものの「Facebookが」とか言っているので多分自分のことだ。ナミさんが「やっぱマメな人は違うわ…」と感嘆しており全然マメでない日本人3人、後部座席でちんまり大人しくしておりました。バリへ出発するポールにお礼を言ってレセプション前で別れ、部屋に戻った僕らの所にホテルの人が来て「お金を持ってきました」わ、早え。目下円高なのでレートは前回より上がっていて¥10,000が840,000インドネシアルピア、現地価格に0.012を掛けると日本円換算出来るがめんどくさいので大体100で割っておまけを付ける、という丼勘定で最後まで通したのだった。

 日本円をホテルの人に渡すと、「あ、あとロビーにお客様来てますのでお忘れなく」ってわちゃあもう映画祭から迎えが来ちゃった、と急いで支度をして3人、もたもたとホテルロビーに向かうと若い男の子が待っていた、どもども。昨日ニーノが運転していた映画祭の車に乗り込んでゴー、だがすいませんお名前は、と聞くと彼はダヤックくんと言うのでした。「MOVIEBOX」というお店に着くと入り口前にはイマイズミコーイチが東京から持ってきた「初戀」の写真が。ここは上映会場では無いはずなのだが、複数ある会場に分けて貼ってくれているようだった。中にはニーノが居て、おはよーのご挨拶ののち映画祭スタッフを紹介してくれる。みんな若くて学生ボランティア、といった感じ。ジョグジャには200以上の学校があるインドネシアでも屈指の学園都市らしいのだが、ジャカルタともバリとも違ったスタッフ層である。外に停めてあるバイクの中にさっきの運転手ダヤックくんのバイクがあったのでインドネシアのバイク事情を聞いてみたりしてましたが(「乗ってみる?」と言われて「絶対無理」と言うイマイズミコーイチ)、バイク本体の値段は日本に比べてすごく安いわけでもない感じ。ただ車検は安くて期間が長いようでした。外でみんなと写真を撮ったりしているとニーノ、「そろそろ行こうか、ここで今夜クィアカラオケパーティーだから、また戻ってくるよ」と言う。クィアカラオケってのはなんじゃらほい、という話はまた後で。


「MOVIEBOX」

 ニーノ運転で着いたのは「LIP」というフランス文化センターとでも訳せばいいのか、ギャラリーも併設の建物。入り口の大段幕には「Q! Film Festival」ではなくて何故か「kita!」とか書いてあって何コレ、とニーノに聞くと「日本インドネシア合同アート展だよ」だそうで、じゃあ「キターーーーーー!!」か。何かの何周年か記念だそうでどこかの (調べろよ)団体がここで展覧会をやっているのでした。「会場は隣のギャラリー」ということで入ってみると入り口前にはたくさんの足踏みミシン、中には巨大な木枠にそこら中を切り取った布の残骸が貼ってあって迷路みたくなっている。受付に座っていた男の子2人にどうも、全く関係ないですけどニホンカラキマシタ、とかご挨拶をして展示の中で遊ぶ、じゃなかった鑑賞、なかなかたのしい。

 お腹空いた、と2人が言うので敷地内のカフェテリアでミー・ゴレン(炒め麺)を注文する。自分もまあ、食っとこうとちょっと味の違うミー・ゴレン・ジャワというものを頼んでみた。始終電話をしたりスタッフに指示を出しているニーノも僕らの席に来てビールを一本。あ、僕らのプレゼントを使ってくれている。彼には下北沢「コシェル」で買った携帯電話入れ(布地に「電話」と書いてある)をあげたのだが日本未発売のiPhoneを入れている。でも携帯はもう一個持ってんだね、大変そう…。麺はたいへんおいしいインスタント、お湯付けカップ麺よりこういう調理法の方が好きだな。


カフェテリアの冷蔵庫ですが、何だこりゃ

 一足先に中に入っていたニーノが「時間だよ~」と呼んでいるのでお会計を済ませて場内へ。ここでも日本から持ってきた写真を貼ってくれているが例の「キターーーーーー!!」展関連なのか等身大の張りぼて人形と同居である。ちょっとコワい。ええと、さっき超簡単に済ませた打ち合わせでは最初に挨拶、終わってからQ&Aということでしたが結構広い会場の最前列にスタンバイして司会ニーノの紹介を受けて前へ。お客さんは満員ではないが結構埋まっている。あ、そういや今回日本語通訳というものは無い…のだね英語か。と思っていたが挨拶は無しで僕らは笑って突っ立っているのみ、ラク。では始めます。

 今日は観ようかね、と3人最前列でもう何十回目かの「初戀」、ここはかなり上映環境(特に音)がいい。そして何より心強いのはお客さんがよく反応してくれるところだ。反応が良すぎて一応の泣かせどころでも笑ってましたがま、いいや。去年のジャカルタで蚊取り線香が映し出された瞬間どよめいたが(インドネシアにも同様なものがあるのだが、そもそも日本にも蚊がいるとは誰も思ってないらしい)、やっぱり笑ってました。理由が判ると安心。しかしジャカルタでは最後の最後でディスクが止まったんだよねえ…と自分だけドキドキ、しているのは心臓が悪いので左隣のナミさんに「止まるかもしれん」と耳打ち、でも今回はそんなこともなく最後までノーストップ、これさえ越えればあとはもうおまけみたいなもんですから。

 相変わらずエンドロール始まった途端に明るくなってしまったがインドネシアではもう何も言うまい。終映後、半分以上の人は残ってくれた。再びニーノの司会でQ&A、インドネシア語で質問が出てニーノが英語に、自分が日本語に、イマイズミコーイチが日本語で答えてそれを自分が英語で訳してニーノがインドネシア語で…という3カ国語で質疑応答がされるのでやたら時間が掛かるが質問自体はけっこう出て「日本では同性婚は合法ですか?」とか「商業映画を撮れる事になったら挑戦してみますか」とか回答が呼び水になって話が膨らんでいく感じのQ&Aとなった。あと、いきなり質問が出ないことを想定して司会者がまず話を振る、というのはベルリンで初めて経験してこれはうまい手だ、と思っていたのだがニーノもこれをしてくれた。やるじゃん小僧、26歳。


取り合わせの妙(本当にミョー)

 最後にお約束「あの、日本からCD持ってきたので良かったら買ってください」というアナウンスをしてQ&A終了、面白かった。惜しむらくは通訳が自分だったことで、一対一の対話ならなんとかなるようになってきたものの(英語、これでも徐々に上達はしているのである)、人が言ったことを記憶しつつ言語を変換してまとめて喋る、ってのは難しいね。聞いた瞬間理解はするものの忘れちゃうんである。終わったあとで一部始終を見ていたナミさんが「もし大変だったら明日は私がやるよ、あと聞きながらメモを取るのも役立つよ」と言ってくれた。ホントにそうだね、ありがとう。会場を出て話しかけくれるお客さんと写真を撮ったりしつつCDも一枚だけ売れて(インドネシア価格でかなりお安くなっておりますです)ここでの上映は終了、さて次。

 ニーノの車で先ほどの「MOVIEBOX」に戻る。他の国のクィア映画祭ではこんなイベントをやっているのを見たことも聞いたこともないがインドネシアでは定番の「Queer KARAOKE Party」会場である。僕らも以前ジャカルタで自前ビデオで参加したが、要はクィアなカラオケビデオ(それはどんなだ)を作ってみんなで歌いましょう、という事ですね。ジャカルタではみんな何故こんなに「イパネマの娘」が好きか?という謎なイベントという印象でしたが、果たしてジョグジャは。事前にプログラムで確認したところでは「初戀」の上映中に始まっている筈だったのだがまだ開始していないらしい。10畳くらいの部屋にスクリーンが吊され、入り口付近にプロジェクターが設置されている。「みなさんはそこへ」と特等席らしいソファーをあてがわれるがイマイズミコーイチがプロジェクターのケーブルに蹴躓いて機材をぶっ飛ばす。「すいませんすいませんすいません」と慌てるが幸い壊れなかった模様。外でビールを頼んだら持ってきてくれてお疲れさまでした、の乾杯をここでする。

 司会者(男女2人、漫才みたい)が進行する中、歌う人は決まっているらしく「ではまずXXさん~」といった感じで呼び込まれて歌い出すが機材の配置上、観客から見ていい場所に立つとまんま影になって映像を遮ってしまうため歌ってる最中「どけ」と数度言われる人続出。狭いからねえ…。曲目はインドネシアンポップス多数(だと思うが、よく判らない)映像は女装の人が跳んだり撥ねたりくねったり、というのが多かったかも。遅れて隣に座った女の子を紹介されたが彼女がすべてのビデオを作ったそうで、それはまたご苦労が耐えなかったことでしょう、と労う。しかしみんな歌、上手いねえ。はじっこには審査員がいて、笑えることに今日ホテルに迎えに来てくれたダヤックくんも混じっているが一人歌い終わる毎にまじめくさってコメントをする(しかも、パフォーマンス中はメモ取ってる)のがおかしい。自動採点なのか何なのか、スクリーンにも歌い終わると「65」とか「61」などと点数のようなものも出るが、全部60点台なのが謎だ。70点満点なの?

 自分は多少ビールで酔っぱらっております。隣のニーノがなんだかメモを差し出し、「どれ歌う?」と言うのでやっぱ来たか、と思ったがううむ、自信を持って「歌える」と言える歌が無いのも事実である。強いて言えばマライア・キャリーの「HERO」だがこんなもんを歌い上げるのは相当晩年になってからにしたいもんだ。だもんで残るは「コパカバーナ」だけだがこれもなあ、歌い出しからして思い出せない。ま、どっちみち求められているのは歌唱力ではなく「海外ゲストも参加に前向き」ということであるはずだからして「ではディレクター様もご一緒にコパ」ということで酔っぱらい2人(わしとニーノ)は長大なレイを首から掛け、マイクのコードを踏みそうになりながらコパ。もちろん全然歌詞におっつかない。客は微妙に引いているような気がするがもうちょっとで終わるのでお願い帰らないでそこの3人組、コパ。


証拠写真、赤いズボンがわたくしです

 歌い終わったがゲストだからか何なのか(問題外か?)審査員講評は割愛、やるべきことはやった。うむ、ブーイングは起こらなかったので良しとしたい。江利チエミの「おてもやん」とかだったらもうちっと盛り上げられたかと思いますが、そういうことをしたい場合には自分で作って持ってこないといけないのですね。ちょっとトイレ、ついでに休憩を、と3人で外に出て煙草をふかしていたらスタッフの子が呼びに来た。入ってみるとパーティーは終わりで表彰式らしい。何賞だか判らないのだがプレゼンテーターを、ということなのでこれまた何だか判らないものを受賞者の男の子に渡しておめでとう。観客は「kiss! kiss!」と言っている(学生コンパみたいですねえ)のですいません段取りですんで、と頬に。やるべきことはやった。

 解散後、残ったみなさんで勝手に歌っているがこっちの方が馴染みやすいな。片付けをしているニーノに「そろそろ帰ろうと思う」と言うと「判った、送っていくからちょっと待ってて」と言われたので入り口付近で壁一面にディスプレイされたDVDパッケージを見る。日本映画っぽいものも何点かあったが、どれもこれも知らない映画でした。やがてニーノが来て、いつもの車で夜道をゴー。「今日の上映はとても良かった」と言うとニーノ、「そうだね、お客さんは85人だったよ」とのこと。この映画祭では多い方らしい。ジャカルタともバリとも雰囲気が違うね、と伝えると、「ジョグジャは学校が多いので、インドネシア全土から色んな人が集まってくる。だから地元/余所者といった意識があまりなくて、かなり寛容な土地柄だと思う。セクシュアリティに関してもプライバシーを尊重する意識が高いから、ゲイも暮らしやすいという面はある」と教えてくれた。ニーノにしてからがジョグジャ出身ではないし、ここならやれる、という空気を感じたんだろうと思う。

 ホテルに着いてお疲れさまでしたありがとう、忙しいだろうけど休んでね、とお休みなさい。「明日は上映30分前くらいまでに会場に来てくれると助かる」と言うので判った、映画祭のプログラムに地図があるから自力でタクシー乗って行くね、と約束をして別れる。部屋に戻ってさてビールだ、と僕らの部屋で蚊取り線香焚いてしばしアルコール摂取、明日は観光に行ってみましょうでも早起きはしないでさ、と自堕落を満喫である。寝るぞー。



2008.0423 バリ経由ジョグジャ行き
2008.0424 上映一日目
2008.0425 上映二日目
2008.0426 ボロブドゥールほか
2008.0427 布まみれ、帰国