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今泉浩一監督作品

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伯林漂流(Berlin Drifters)

2017 / 日本、ドイツ/ カラー / 123分 / ステレオ / HDV / 日本語、英語

ベルリン在住の日本人コーイチはある夜、セックスクラブで日本からの旅行者リョータと出会う。
インターネットで知り合ったドイツ人男性との「恋愛(=結婚?)」への期待に胸を膨らませてベルリンにやって来たリョータは、
相手の関心が自分とのセックスにしか無かった事を知り、彼の家に泊めても貰うことも出来ず
セックスクラブで一夜を過ごしに来たのだった。仕事もせず、殆ど人付き合いもしないで独り暮らすコーイチは、
成り行きで自分のアパートにリョータを泊めてそのまま彼と肉体関係を持つが、
リョータは毎日のように出かけては現地の様々な男達とセックスをして帰ってくるようになる。
そんな彼に苛立ちとも好奇心とも知れない感情(もちろん、愛でもない)を抱いたコーイチは、
次第にリョータとのセックスにのめり込んでいく。

ある高校生のゲイとしてのアイデンティティーの目覚めを描いた長編『初戀』が2008年にベルリン国際映画祭パノラマ部門で上映された
今泉浩一の最新監督長編作『伯林漂流』は、日本からベルリンに辿り着いた漂流者たちの物語。
脚本は今作で初めて映画の脚本を手掛ける事となった日本を代表するゲイ・エロティック・アーティスト、田亀源五郎。
この10年で日本のゲイの恋愛とセックスを取り巻く何が変わり、そして何が変わらなかったのか?
を「ベルリン」という反射鏡を触媒として描き出す。
彷徨い続ける男たちが踊る、21世紀版『ラスト・タンゴ・イン・パリ(・オヴ・ゲイ)』。
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馬嶋亮太

Michael Selvaggio

Claude Kolz / Jochen Werner / Toby Ashraf
Christian Slaughter / Lupus / Bishop Black
Florian Hagen / Mark Bates / Col Daniels

Wieland Speck / Jürgen Brüning
Sophie Lindenau / Uwe Röttgen / Katharina Zettl

塩澤政明 / 岸田光明 / 于寧 / 村上ひろし / 阿諾狐 / サムソン高橋
きたがわひろ / ますだいっこう / 岩佐浩樹 / 阿部公彦 / うっち~
松之木天辺 / 堀江進司 / 松田篤史 / 生島嗣

Mischka Kral / Petting Schmid / Ben König / Chrissy / Lorenz Michel / John Silver

魏建刚

佐藤未光

今泉煕美 / 今泉時男 / 今泉浩一
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製作:habakari-cinema+records、Jürgen Brüning Filmproduktion、Claus Matthes

脚本:田亀源五郎
撮影:田口弘樹、岩佐浩樹
録音:岩佐浩樹
編集:岩佐浩樹 & 今泉浩一
音楽・音響:PEixe-elétrico
エンディング曲:金丸正城
スチール写真:田口弘樹
題字:赤岩保元
切り絵制作:西亚蝶
英語字幕:川口隆夫、Jonathan M. Hall

監督:今泉浩一

協力(ベルリン)
Roland Müller(Prinz Eisenherz Buchladen) / Frank Redieß,(FICKEN 3000) / Südblock
Björn Koll(Salzgeber) / Andrés Pinto Álvaro(Agora Rollberg) / Romeo und Romeo
Rainer Baumann / Uwe Röttgen & Katharina Zettl / Ikko Masuda / Akiko Nishimura

協力(東京)
大塚隆史(タックスノット) / 平野俊一(ケイヴィ!) / 岸田光明(バー Bridge)
アリシア(バー 銀河系) / 岡田英二(A&O Art Factory) / 溝口彰子 / Edward Chan
大須賀卓也 / 大須賀惠美 / 福間恵子

[上映履歴]
香港国際レズビアン&ゲイ映画祭 : 2017.0909-24
クィア・リスボア : 2017.0915-23
ベルリンポルノ映画祭 : 2017.1024-29
ウィーンポルノ映画祭 : 2018.0301-04
Wicked Queer:ボストンLGBT映画祭 : 2018.0329-0408
伯林漂流東京 : 2018.0811-12

[レヴュー]
『伯林漂流』を観るあなたは、この映画に出てくるすべてのセックスの先に行かなくてはならない。
この作品はその未熟なプロダクションや出来不出来のムラが多い演技に足を引っ張られているが、
それでもこの映画の基本的に甘美な――そしてトラッドな――心を隠すことはできない。
皮肉なことだが、今泉と田亀はセックスシーンの使用には細心の注意を払っている。観客のエモーションが最も報われる部分は、
映画の残り部分を占めてかつ前面に押し出されている裸のシーンでは全くない。
コーイチの昔の恋人であるミオオとの再会や友人シャオガンとの離別も、リョータが自分の真実の愛の探し方は全く間違っているのかもしれない、
と薄々気づき始めるさまも感動的でありかつ、辛辣でもある。
アレクサンダー広場がこんなにも寂しげに見えたことはついぞ無かった。
エリザベス・カー (from 'The Hollywood Reporter') レヴュー全文和訳はこちら

ベルリンの街並みは美しく、イマイズミ監督の所作も美しく、巧妙に設計され細部が複雑に絡み合う物語も美しく、
そのせいか、これでもかこれでもかと出て来る男同士のセックスには、なぜだか淫靡さを感じませんでした。
むしろ、不安やトラウマが原因でただ肌を重ねて無我夢中になるためにセックスをしてきた自分の過去と重なり合い、感情が湧き上がってきました。
見終わった頃には軽く脳を使った感覚と、随分と癒された心と、映画の間には気付かずにいた涙の跡が残りました。
セックスとは何か、それを頭ではなく心で知りたい方に、ぜひ見ていただきたい映画です。
K Nomura(翻訳者)