2008.1103 segunda

[前日までのあらすじ]
ブラジル総領事館でのヴィザ申請、受付は平日の10時〜12時「だけ」、代行業者が結構な値段を取ってもこれじゃみんな頼むわけですわ。家族でない限り代表申請は出来ないし、受け取りも平日のみなので、出発前の最後の平日である31日に受け取れるとのこと。申請が一日遅かったらアウトでした。ヴィザは何とかなりそう、休みもまあヘラヘラ笑いながらねじ込んでみたし後は何だ、というと私の飛行機のキップですがこら待てそれが来なきゃ行けねえじゃねえかぼけー。何故か、の記述を以下にしますが当事者以外に取ってはどうでも良い経緯なので「(中略)」と読み替えて下さって構いません。

<ここから>
ブラジリア国際映画祭の招待は監督一名分のみ渡航費が出、自分についてはホテル代は出していただけますが飛行機代は自腹、となるとなるべく安いのが良いです…と言ってみたが日本で取れる(当時)最安のアメリカン航空17万ちょっとというのは映画祭のエージェントでは取れず、向こうが最初に手配したチケットは僕らの日程に合わないので別のを探してもらったら更に高くなり、ブラジルレアルがどのくらいになるのか判りませんが30万越えするかも、というヤツでぐむむ、と唸りつつ「それで、いい、です」と返事をしたが、監督分のチケットは届いたものの自分のが来ない。「どうしましたでしょう」と聞いてみたら「あなたの分は別の旅行会社に頼んでいるのでちょっと遅くなります」と返事が来たきり2日経過。
<ここまで>

再度「あの、どうなりましたでしょうか」と12時間の時差(こっちが昼なら向こうは深夜)でなかなか打てば響かないC&Rに困惑しつつも先程ようやく返事が来て、「あなたのチケットは手配していますが、銀行がストライキに入っていまして支払いが遅れています。でも順調に運んでます(どこが)から心配しないで」と余程茫然としている人以外は不安になるだろうというお知らせ、で、最終的に更に高くなってしまいましたすいません、とか値引きしろとかできませんとかいろいろありつつスケジュール確定、イタリア経由。

イタリア?

最初にこの日程表が来たときはどこをどうしてたどり着くのか判りませんでした。しかもミラノで6時間、ローマで8時間待つ。

(原文)
行き:NRTMXP MXPGRU GRUBSB
帰り:BSBGRU GRUFCO FCONRT
(訳文)
行き:成田国際空港→マルペンサ国際空港(ミラノ)→グアルーリョス国際空港(サンパウロ)→ブラジリア国際空港
帰り:ブラジリア国際空港→グアルーリョス国際空港→フィウミチーノ空港(ローマ)→成田国際空港

仕方が無いのでミラノとローマは出国してみる事にしてユーロを準備し、飛行機代用のドルも買って(もう何日か前だと更に円高でよかったんだけど)これまでの最長飛行時間がベルリンまでの12時間だったのに今回あっさりその2倍、往復計4回の12時間飛行、果たして体は保つのやら。


用心をして行き先を書く。しかしいきなりスペルを間違えています

で当日。空港に11時集合(2人だけ)、ラッシュアワーでは無いので座ってゴー。途中津田沼あたりで窓越しに見た風景が歪んで見えたのは何かのお告げでしょうか、家がみんな傾いてますが電車が傾いているのか?アリタリア航空は第1ターミナルなので終点まで乗ってイマイズミコーイチと合流し、まずはチェックインを、とカウンターでeチケットをプリントアウトしたやつを出すと受付のおねいさんはしばらく端末を叩いていたがおもむろにこちらを向き「えーお客様のチケットなのですが、予約が入っていないようです」と恐ろしい事を言う。またまた何を言っているのやら、とへらへら笑いも引きつるがおねいさんは更に調査を進め「このチケット自体は存在するのですが、お客様の予約がすべて流れてしまっているようなんです。アリタリアでの往復、更にブラジル国内移動(別の航空会社)について予約を取り直しますので15分ほどお待ちいただけますでしょうか?」ええと、結局僕らは乗れるのか乗れないのか判断に苦しむところだが、ここは任せるしかないので(文句言おうにもこのチケット準備したのはブラジル側であっちはいま深夜)仕方なく外にある隔離病棟のような喫煙所で無理やり笑顔の写真を取り合ったりして時間を過ごす。行けるの?

口だけ笑顔のままカウンターに行くとさっきのおねいさんは別の人を接客しているので僕らの件は片付いたということでしょうか。先客が立ち去ったので近寄ると「ちょっと待ってくださいね」とおねいさんは奥へ行き、更に何だか相談をしていて不安が高まる。やがて別のおにいさんを連れて戻って来て、チケットは大丈夫だという。「実はお名前の順序が氏名逆に登録されてまして(…)、それで先ほどは探せなかったようです。行きのサンパウロまでは大丈夫ですが、その後のチケットは再確認が必要です」と。何で毎回毎回こうトラブルがあるのか判らないがここまで間際に落とし穴があるのは初めてです。やでやで、ちゃんと2時間前に空港へ来たのに割とギリギリになってしまった。さてアリタリア航空、初めて乗るのだけれどどうもあんまりいい評判が聞こえてこないので取りあえず無事に着けば(荷物も)良しとしよう。サンパウロまで荷物は積みっぱなしだそうなので、ミラノには手荷物だけで出られるもよう。


ミラノ一発目、どうやって掃除するのか不明な灰皿

予定では12時間半のフライト、アリタリア航空はサービスが悪いだの飯がまずいだの客室乗務員の態度が悪いだのそんな話ばかりだったのだけれど別に大過は無くて、ただ忙しいのか食事の際に配ったパンを落っことしたのが最後までそのまんまで、僕らは向かいの通路の下を見ては毎回笑っていた。自分は「SEX AND THE CITY」を観ようかなとチャンネルを合わせたが吹き替えがたるくて5分で止め、熟睡は出来ないもののちょっと早めにミラノに着く。「現地の天候は、雨」のアナウンスにむむう、と唸るが入国はスムーズに済んで、空港の外に出ると夕方、日本では深夜1時。これから行く4都市の中ではここが一番寒そうだったのだが体感気温はそれほどでもなくて、東京を出た時の服装で大丈夫。外で煙草を喫ってから11€のチケットを買ってマルペンサ・エクスプレス(空港線)に乗り、ミラノ北駅まで45分くらい、列車は空いている。駅に着くと雨は上がっていたが、駅周辺には大して面白そうな場所も無いので地下鉄に乗り換えてドゥオーモ駅まで3つ。ベルリンでも全く同じ事をしていた(学ばねえな)のだが切符の自販機前でどうすんじゃろこれ、とぐだぐだ検討していたら、僕らの前にいた若い女の子が英語メニューの出し方を教えてくれた。ちなみに料金は片道1€。


一部こうじちゅう

出口を上ると駅名にもなっているドゥオーモ(教会堂)がいきなりガーン、と建っていてすげえ。夜なのであまり観光客もいなくて、回りを一周する。イマイズミコーイチが異様にうれしそうである。最初は「イタリアのピザかパスタでも」くらいの気持ちだったのだが、景色の中にいるのは気分がいい。ガイドブックで他にも何か見れるかな、と探すとヴィットリオ・エマヌエーレ2世のガッレリア(駅のアーケード)は近そう。当てずっぽうで歩いたらすぐに見つかった。ここも多分夜ならではの光の具合で美しい。交差点の四つ角にはそれぞれプラダ(本店だそうです)とルイ・ヴィトンがあるのだが、対面にあるマクドナルドまでシックな装いで、やっぱ資本主義はこうでないと(しかし採算取れんのかこのマック)。駅に戻る途中のピッツェリアでマルゲリータとフィトチーネ・ボロネーゼたべて、駅前でヴァニラ味のジェラートを買って嘗めながら駅に戻り、行きと全く同じルートで電車に乗って(ミラノ北駅で入ったトイレは有料でした)空港に戻った。帰りの空港線の切符はカンで買ったのだが、車内で車掌さんに見せたらなにやらイタリア語で言われて、切符の裏に手書きで日付けを記入されました。打刻はしたんだけどな。仮にあのイタリア語が「罰金払え」とかでも払いませんよ。


おすましさん

空港に着くと夜の11時、どこもかしこも閉まっている。有料でしかも速度の出ないインターネットマシンでメールを開けてみるとサンパウロの友人ネイから「空港に迎えに行くよ!」というメッセージが来ていて心強い。時間との戦いで拙速で返事をし、続けてイマイズミコーイチはミクシをやろうとして途中で機械が固まりました。搭乗口には本当に何も無いので椅子に座ってぐったり、電車もう一本遅らせても良かったね。さすがにここからサンパウロに行く日本人はいないらしくヨーロッパ慣れしていない東洋人は浮いていた、と思います。機内では以前香港旅行で貰ってきたホテルのスリッパを履いてましたがこれがえらく効果的、快適。今回はよく眠れました。しかしまともに寝ていない間に食事を5回くらいすると訳が判らなくなってきます。


切符は出る時に出す必要が無いので、どんどんたまる


2008.1103 ミラノへ
2008.1104 サンパウロへ
2008.1105 サンパウロで
2008.1106 ブラジリアへ、上映一回目
2008.1107 ブラジリアで、上映二回目
2008.1108 ブラジリアで、上映三回目
2008.1109 ブラジリアで、クロージング
2008.1110 ローマへ、帰日