20151026 Montag

今日は夜のユルゲンとのミーティングまでは何もないのでだらだらする事にして、部屋で一通りの連絡作業(シャオガンにコルビーの写真を送るの含む)を済ませて…もイマイズミコーイチはまだ寝ているので駅近くのスーパーに行って土産を探す。一応安売りスーパーなのだけどちょっと高いものも紛れ込んでいたりするが、メジャーなものは日本の半額くらいなので山のようにチョコレートを買ってしまう。戻ってイマイズミコーイチを起こし、昼ごはんに行く事にした。よく晴れて日が出ていれば暖いが、実は2人ともちょっと風邪を引き気味でぐずぐずしている。駅までの通り沿いにはいくつか店があったけどこのパン屋でいいかな、サンドイッチもあるし紅茶もうまい。食べ終わって、ここはさっき1人で来たスーパーの近くなので何か土産とか買う?と訊くと「いや、いい。それより途中の古道具屋に行きたい」と言う。映画祭に通っている時に毎日前を通っていた店なのですがいつも時間が無くて、比較的時間があった昨日は休み、イマイズミコーイチが引っかかっていたのは古着みたいなのだけど店にはアンティークからゴミみたいなものまでいろいろあります。シャツを何枚か矯めつ眇めつしたのち何枚か選び、値札なんぞは付いてないので店のおっさんに聞くと「ズィーブン」と言う。何だろう、と眺めていると通じていないのが判ったらしくおっさんは指を2本折り曲げる、7かなあ、と思っていると最終的には電卓を持ちだして「7」と打ったので7ユーロ。その7ユーロのドレスシャツだけを買って家に戻る。


北京の思い出

その後はもう何もせずに家にいて、やっと北京の荷物をちょっと整理したりなど。やや暗くなってきたあたりでライナー氏が帰ってきた(久々である)。今日は夜にユルゲンの家に行きます、と言うと「そうか、ガンマ(ユルゲンのルームメイト)にもよろしく伝えて」だそうでした。ちょっと早めに出かける事にして昨日までと全く同じルートですが劇場前は通りすぎ、もうちょっと先に出て駅から外に出るとああ何となく憶えている(「ぜんぜんおぼえてない」:イマイズミコーイチ)辺りに出たので住所と記憶を頼りに行ってみるとここだ、でもまだ時間にはちょっと早い、と一服してから呼び鈴を鳴らす。おそらくガンマでは無いかと思われる女性の声がして、扉を開けてくれた。何か中庭を抜けて4階か5階だったよなあ、と階段を登ると開けっぱなしのドアの向こうは見覚えのある部屋で、ガンマが笑って待っていた。2年ぶりです、と抱き合って「ユルゲンはもうすぐ帰ってくるから、座って待って」とお茶を出してくれる。「映画祭には行きましたか」と訊くとガンマは「忙しくてね、あと人が多い所に行くのがストレスな感じだったから行かなかった。でも土曜日のパーティーにはちょっとだけ、あれは素晴らしかった」ってやっぱり…行けば…良かったか…。イマイズミコーイチは今回は審査員です、と言うと「あらそう、あれは審査員同士で駆け引きしなくちゃいけないし、面白いけど頭を使うのよね」と言うのでイマイズミコーイチは全くです、という顔をしてうなずいている。

やがてユルゲン帰宅。昨日までの映画祭でのヨレヨレさ加減に心配したみたいな風に疲れてはなさそうだけど、まあ心底ぐったりであろう。挨拶もそこそこに自分らは本来の目的である「新企画」の打ち合わせに入る。詳細は今のところ省かざるを得ませんがユルゲンはもちろんプロなので、自分らが全然頭が回っていない所を明確に指摘してくれてるので輪郭がスパスパと定まってきて、本当にやるんだ、と言う感じになってきた(ユルゲンからすると逆の意味で「本当にやるんだ…」みたいな頼りなさかもしれないが)。「質問はもう無い?じゃあ夕飯にしよう」とユルゲンは言って、ガンマに声を掛ける。ガンマはもう食べたようで準備だけ、チキンを丸ごと焼いてくれていた。あとはキュウリのサラダと、インディカ米飯にマッシュルームのソース(鶏用)というメニューを3人でもりもり食べる。ユルゲンがグラスに赤ワインを注いでくれる。審査員の仕事はどうだったか、とユルゲンも訊くのでイマイズミコーイチは「ええと…これだ、という一本が無くて苦労した。どうしても消去法になってしまうというか」と答えるとユルゲンは頷いて「短編に関しては私もそう思った。(長編賞の)『NOVA DUBAI』はみんな文句なし、って感じだったけど、今年の短編はどうもあんまりね…」とここでユルゲンの携帯(スマートフォンでは全く無い小さな端末)がピロピロ鳴り、何事か話している。「ブルースの件だった。彼は骨折してしまったのだけどまあ落ちついた、と付いている人から連絡」だそうで怪我って骨折だったのか。


プロデューサーと監督と7ユーロのシャツ

「そうそう、今回は美術館や展覧会に行ったか?」とユルゲンは2年前と同じような事を言うのでしたが前回はどこにも行かずにバームクーヘン買っただけ、と言ったらダメだこりゃ、みたいな顔をされたのを思い出したので用心しつつ「まだだけど、明日~明後日でいくつか回る予定」と言うと「それならよい」みたいな顔になったユルゲンは「いまユダヤ博物館でやっているグリーナウェイの展覧会は良かった、とガンマが言っていた。もし時間があれば行くといい」と教えてくれた。グリーナウェイか、ちょうどこないだ最新作『エイゼンシュテイン・イン・グアナフアト』を観たところだったのでどんなのだろう行きたいな、と思った。非常においしくご飯を頂き、デザートにチョコレート掛けのマジパン(何か日本で言うと羊羹みたいなものか、という気がしてきた)を食べて2時間くらい経ったのかな、ユルゲンも疲れているだろうし(明日からまた何か用事があると言っていた)、早めにお暇しよう、と辞去を告げる。イマイズミコーイチはユルゲンと写真を撮って(今日買ったシャツを着て行ったら「いいシャツだね」と褒められていた)ガンマに挨拶して、また来ます。

駅に向かう道の途中で携帯を見るとメールが来ている。自分らが7年前にベルリン国際で行った時にアテンドしてくれたソフィーからだ。2年前は会えなくて電話だけだったのだが明日会えそうだ。[明日は18時に「Atlantic」というBergmannstraßeとNostitzstraßeの角にあるカフェで会うのでいいかな、カタリーナとウーヴェもそこに来るから]と実は彼らは知り合いだった事が後から判りみんなで一緒に会いましょう、と言うことになっている。ただしソフィーは幼子持ちなので多分カフェでちょっと会うだけになるんじゃないかな。その何とか通りと何とか通りてのがさっぱりですがグーグル様のお導きにより最寄り駅はGneisenaustraße?と返信すると「当たり」だったのでじゃあ帰りに寄ってみよう、とそのグナイゼナウ通り駅で降りてカフェを探す、って結構遠いんじゃねえか。でもこの辺りって3年前にソフィーの家に行った時に見たような気がするな、それにつけてもあの頃はスマートフォンが無くて…と夜道を歩いていると割とあっさり「Café Atlantic」はありました。ばっちりではないか、と自分を褒めつつ何処にも寄らずにおうちに帰ろう。


アトランティック確認

2015.1021 北京からベルリンへ、映画祭1日目
2015.1022 映画祭2日目
2015.1023 映画祭3日目
2015.1024 映画祭4日目
2015.1025 映画祭5日目
2015.1026 ベルリンオフ1日目
2015.1027 ベルリンオフ2日目
2015.1028 ベルリンオフ3日目
2015.1029 北京経由の帰国

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