2023.0925 星期一

 帰国の日。チェックアウトは正午、どうやらこのままオーナーに会わずに退出することになりそうだが、自分らのフライトは15時で、チェックアウト時間ギリギリまで市中にいてちょうどいい感じなのでまだ時間はある。出かけようと思ってエレベーターのところに行くと、点検工事中とのことで止まっている。あれれ、といつもと反対側の階段を歩いて下る(ちなみに自分らの部屋は8階)。降りてみるとこっちにもビルの出入口があったことを今更で知る。気を取り直していつもの粥店に行って朝ごはん。ここのメニューには【粥品】系と【生滾粥】系の粥があり、生滾粥系のほうがちょっと高いのだが、何が違うのでメニューを分けて書いているのか?が判らない。ともかく今まで頼んだことがないので生滾粥系の「滑牛片肉粥」という、店内に写真つきででかく紹介されているやつにしてみる。イマイズミコーイチはいつもと同じ皮蛋入りの粥。来てみると「肉」はこれモツかなあ、という感じでいわゆる「牛肉」ではない。生姜を利かせて味付けしてあるけどちょっと口に合わず、粥は何とか食べて肉は残してしまった。自分にしては珍しい。帰り道、やっぱり裕華國貨でお買い物券をもらうべくもう少し買い足すのはどうだろう、とイマイズミコーイチが言うので裕華に寄って告知ポスターをよく見ると「合算は当日のレシートに限る」と書いてあったので残念でした部屋に戻ろう。入口まで戻ってきて思い出したがエレベーターが使えないんだった。貼り紙を読むと「反対側の出入口のエレベーターを使うように」とあったので、自分らはうっかり見落としていたが階段に行く手前にもう一基あったのだった良かった、だってスーツケースを持って8階も降りたくないもの。


毎日飲んでた鐵觀音(買ったのはまた別のブランド)

 さてそのスーツケースであるが、部屋が狭いので惜しい感じで完全には床に広げられず160°くらい開いた状態でパッキングの仕上げをする。来た時はスーツケース半分くらいのスペースが空く程度の荷物しか持ってきておらず、帰りは空いたスペースに大量の食品が入るが、ほぼお茶とお菓子である。後はこの部屋には異様にモノがあるので、うっかり紛れて私物を置いて行ってしまうとか、逆にこの部屋の物をうっかり持って帰ってしまうとかというのが心配。ホテルではない民泊では多かれ少なかれありそうなことであるが、この部屋は飛び抜けてモノがありすぎる。例えば初日にあははこの部屋テレビが2台ある、と言って笑っていたのでしたが、その背後にもう一台ある事に気がついたのは昨日のことでありました。もしかして捨てられない性格の人が不要になったものを置く部屋についでに人を泊めているのでは。ちなみにイマイズミコーイチは「フルーツもってきてくれなかった…」など未だに不満そうである。オーナーには本当に会えないようだがさようなら、なかなかユニークな部屋でした。一基だけになってしまったエレベーターは競争が激しくて乗るのに一苦労したが何とか階下に降りてビルを出る。今日はいい天気だけどそんなに暑くないのが幸い。裕華國貨の前の横断歩道まで行って彌敦道を渡り、方向的にはまた戻って空港行きのバス停に並ぶ。ここで乗れば空港まで行けちゃうわけで、電車よりだいぶ安いし楽だ。行きもバスで来るのでも良かったけど、今回は機場快線片道無料だったので次回(はあるのか)。


お部屋。ちなみに自分のスーツケースはこの冷蔵庫とキッチンシンク台の間を通らない

 バスは15分くらいの間隔でどんどん来るのであんまり心配しなくてもいいのだけどそれほど待たずに乗れて、幸いあんまり混んでない。スーツケースを専用置き場に乗せてから2段バスの2階部分に行く。1時間もかからずに付くはずだ。バスは市中のいくつかのバス停で乗客を拾うらしく、最初の頃は何度か停車する。と、前方から見覚えのある顔の人が歩いてくる。在仏台湾人ゲストのカンウェイではないか。向こうもびっくりしているがまあ隣に座ったら、ということで色々と話す。彼も短編作品のゲストなのでやはり旅費は出なかったようで、油麻地のホステルに泊まっていたそうだ(「狭かったよ」とのこと)。カンウェイは台湾生まれで大学の時にフランスに渡り、今もそこに住んでいる。シンガポール航空でフランスに帰ると言っていた。「お土産に何か買った?」と聞くと「友達にあげる日本の煙草を買ったよ、フランスだと高いから」と見せてくれたのは「KOOL」のメンソール電子タバコのカートリッジで、これは日本のメーカーではないけど、と思ってよく見ると「北海道産ミント配合」と書いてあってううむ面倒な商品だな、日本産の原材料も入っている煙草です、と彼には説明する。「あとはパイナップルケーキ」とイマイズミコーイチみたいなことを言い出し、「スーツケースに入れちゃったけど空港についたら君たちにもあげる」と言い、「香港で貰った月餅セットがあるからこれもあげる」と何だかいろいろ貰ってしまう。

 話していたら空港に着いてしまい、カンウェイはスーツケースを開けて個包装のパイナップルケーキをくれた。ありがとう、お互い気をつけて良いフライトを、とハグして別れる。オンラインチェックインはバスの中で済ませていたので、カウンターで預入荷物を渡してから、イマイズミコーイチがタバコを吸いたいと言うので付き合い、さて空港のレストランに入ってご飯を食べるほどの時間はないけど機内食は出ないのでちょっと食べておきたい、とフードコートっぽいのがある辺りを探してサンドイッチ売ってる店を見つけたので日本円換算で1,500円くらいのハムチーズサンド(棚にあった中でこれが一番でかかった)を買い、搭乗口へ戻るまでに歩きながら食べる、旨いなコレ。空港の外れにある乗り場に着くとちょうど列が並んでいるところだったので最後尾について、どうも更にここからバスで飛行機まで移動するようだ。成田に向かうだけあってさすがに日本語がそこかしこから聞こえてくる。飛行機に乗り込むと予め座席指定してあった最後尾辺りには空席が目立ち、アテンダントさんが気を利かせて「3席一列が空いているところに移っていいですよ」と言ってくれたので、ありがたく行きと同じ状況で復路も過ごせた。イマイズミコーイチはまた横になって寝ている。自分はふと機内販売のパンフレットに載っている「アールグレイ・アンバーエール」という謎なビールを注文してみようかという気になって人生初機内販売(カードで払う)。来たビールは美味しかったですが紅茶の味はあんまりしませんでした。

 日本(成田)到着。まだまだクソ暑いのかと思っていたらいきなり涼しいので面食らう。もろもろの手続きは問題なく済み、今日は成田で(6月のサンフランシスコのときと同じホテルに)一泊することにしているのだけど、ホテルで夕飯は食べられないので、成田で食べていこうかと出発ロビーに移動してレストランフロアを廻ったところ、ほぼすべての店が21時までには閉まってしまうのでどこにも入れない事が判明するのでした。ただしセブンイレブンだけは営業していたので、ここで弁当を買ってその辺のベンチに座って食べることにする。まあ安上がりでよい…のかも知れない。それにしてもジャパンは安いですねえ、とか言いながらごついコンビニ弁当とお茶などを買い、清掃の人が周囲を掃除機で吸いまわっている中でわしわし食ってるチームハバカリ。食べ終わってバスターミナルに戻ってホテルの送迎バスに乗り、前にも行った成田のホテルにチェックインする。時刻は午後11時前、前回と違って暑くないので格段に過ごしやすいな。さっきセブンイレブンで買ってあったレモンサワーを開けて戻ってまりいました、の乾杯をしてからシャワーを浴びておやすみなさい。

2023.0926 星期二

 朝7時過ぎに起きて、ホテルの朝食。ここは何故だか朝食が異様に充実していて、前回も充分すぎるくらい食べたのでしたが今回も相変わらず。それでもイマイズミコーイチは「パンとスクランブルエッグみたいなのが食べたいのにだし巻き卵しか無い。あとバターがなくてマーガリンしかない」などと文句を言っている。自分はどっちかと言うとパン+だし巻き卵+マーガリンしか無かったらそれでいかに旨く喰うか、という方向でチャレンジするタイプだと思うのだが、幸い今回は白米に豚の生姜焼きを盛った丼飯を作って満足している。空港からリムジンバスに乗るイマイズミコーイチは空港行きのバスに乗り、それを見送った自分は成田駅行きのバスに乗ってサイタマの家まで戻る。着いた最寄り駅から日に何本も出ていない100円バスにちょうど間に合い、乗り込んだ車内でえんえん独り切羽詰まった感じで何かを語る乗客の話を聞いてるようで聞いてない体勢のまま、大量のティーバッグとお菓子を持って自分が卒業した中学校の前のバス停に降りる。


つかれたねえ


目次
2023.0918 出発までと出発当日、香港到着
2023.0919 M+、『犬漏(SOLID)』上映
2023.0920 香港故宮文化博物館、ディック、映画1本
2023.0921 マカオ
2023.0922 エイドリアン、パトリック、映画2本
2023.0923 映画1本、映画祭クロージングパーティー
2023.0924 ジョナサン、クリフォード
2023.0925 帰国

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