2007.0905, wed

 11時ごろ起床。今日は朝ご飯券がないじゃない、だからフロント行ってもらって来ようよ、と言って聞かないイマイズミコーイチに付き合ってフロントへ。でも宿泊客なんだからさ、ルームキー見せれば出してくれるでしょうフツー、と言ってみるのだが、でもでもでももし朝ご飯券が無いと食べられなくてさ、お金払うことになったらどうするの?困るじゃないの、となおも言うので判ったわかりました、行きますよ。なんか先客が込み入った用事をしているのかなかなか空かないが、やがて僕らの番になったので「朝食はどうやって頼んだらいい?」と言うとフロントの人は「レストランでキーを出してください」ということでした、諾。

 レストランに行くと既に田口さんは席に付いている。おはようございます、今日もほとんど何もしないで参りましょう、とアメリカン朝ご飯を頼み、たらたらとパンにパイナップルジャムなど塗っていたら向こうの椰子の木をイタチみたいな動物が二匹、さささささ、と駆け上って、やがて途中まで降りてきた、と思った瞬間隣の木に飛び移った。自分はジャムを塗る手がばっちり止まって「ももんがあ」と叫んだが多分モモンガではない。あれと遊びたい、とすぐにでもそこに行きたかったのだがパンは冷えると不味いので、仕方なく食事を続ける。バリ、素晴らしいところだ。


この木にケモノが登っていった

[その後の3人]

・イマイズミコーイチ…プールで昼寝
・田口さん…部屋でまたちょっと寝たあと市内を散策
・自分…部屋で昼寝

 要は大体寝ていた(特に自分とイマイズミコーイチ)わけで、写真も記憶も5時間くらい平気で寸断されております。バリ、素晴らしいところだ。

 で、寝たからと言って頭が冴えているというわけでは全然ない自分とイマイズミコーイチはでも起きようか、部屋に戻ってうだうだしていたらジョンから電話が来た。「さっきバリに着いた。夜にホテルへ迎えに行くけど、夕日を見ながら一杯飲みたければもっと早くに行くよ」とか小粋なことを言うので「夜でいいよ」と返事をする。「判った。ところでいま何してる?」と言うので「部屋で休んでる」と言ったらハハハ、と笑って、「じゃ、あとで」と電話は切れた。まだ時間があったので自分とイマイズミコーイチは近所のネットカフェに行ってメールを見たりなど。急用無し。


マイマイ、何故か枯葉を食う

 ジョンは夕飯でも、ってつもりかも知れないけどそれは随分先になりそうなので、散歩から帰ってきていた田口さんとレストランで昼食のような夕食のような食事、昨日散々騒いでいた可愛いちゃん♥がいるのでまたざわざわしているウチに、イマイズミコーイチも「あ、かわいいかも」などと言い出すが田口さんは「でも彼は昼光の下の方が可愛いタイプ」とか言う。自分は2人の話に全く加わらないで傍観してましたが、いいよね別に。

 食事が終わって海に行き、また夕日。今日は珍しく物売りに捕まり、イミテーションタトゥーを勧められるが、昨日田口さん部屋ミーティング(飲み会)で言っていた「セールスにはオウム返し」戦法で相手の言うことを全部真似したり彼のTシャツを意味無く写真に撮ったりしていたらやがておっちゃんは諦めて(タトゥーのアルバムとか広げてたんだけど)立ち去っていった。イマイズミコーイチは砂浜に寝っ転がってまたしても「α波が出まくっております」などと言っている。白くはないけどきめ細かい砂で砂山などを作って遊んで、あ、そろそろジョン来るかもね、とホテルに戻った。着替えがあんま無い、と風呂場でイマイズミコーイチが洗った洗濯物が乾いているかな、と外に出しておいた物干しを見てみるが、陽が当たらないせいかまだ湿っている。


本日の夕日

 しかしジョンは約束の時間には現れず、もしかしてジャカルタ時間(一時間遅い)の時計見て言ったのかな、とか思ったが、一時間経っても来なくて、まあいいややっぱご飯食べておいて良かったね、と雑談をしながら時間を潰していると部屋の前の庭にひょい、とジョンが現れた。「ごめん、タクシーがなかなか」とか言いながら「出られる?」と言うのでうん、と答えて3人、ホテルの駐車場に停めてあったタクシーに乗り込む。夜のバリへ。

 車で向かった先は大きなレストラン、天井が高くて中庭がある。その中庭を囲むようにショップが建ち並んでいて、暗くて全体が判りづらいのだけどもしかしたらちょっとしたショッピングセンターになっているのかも知れなかった。ジョンに連れられて行った席には既に先客がいる。あ、フィリップと彼氏だ。や~、とか挨拶して、他の人はどなた?とジョンに聞くと、「バリでのボランティアスタッフと、その彼氏(欧米人)」と言う。実のところ彼らはずっとフィリップ達と話していたので最後まであまり交流出来なかったのだが、バリでもスタッフは一応いるようだった。

 メニューはすごくいっぱいあるが、インドネシア料理はあまり多くない。自分は「バリ料理」コーナーから店員さんに「これは何でしょう」といちいち聞いてみたのだが、どうもよく判らないので適当に頼む。イマイズミコーイチはカレー+ガドガド、というピーナツソースの温野菜サラダ(と一般には説明されるのだがここのはほとんど和え物、うまい)+アボカドジュース、田口さんは「酒のつまみみたいな軽いのでいいや」と春巻き。来てみれば自分のは魚の練り物みたいなのと、スパイスを利かせた野菜の炒め物、かなりしょっぱいので米がうまい。このレストランは事前に予約していたらしくて、テーブルには葉っぱに金のマジックで「ジョン・バダル様」とか書いてあるのだが惜しいことに「John」が「Jhon」になっていた。


誰。

 そろそろ閉店時間らしくて、まず中庭から電気が消え、そこの席を店員(いっぱいいる)がどんどん片付けていく。でも屋内のカウンター付近では意味不明に踊っているカップルなどがおり、ジョンも別に焦る様子もなく「デザート頼んだら?」とか言うので、じゃあアイス、とイマイズミコーイチ、自分は最初「チョコレート何ちゃら」というのを頼んだのだが実際に行ったショーケースで見つけた「カラメル&カスタード」ってのは要はプリンだろう、と変更、ジョンはバカでかいミックスアイスクリームなどを頼んでみんなで食べている。「食ってみる?」と回ってきたので白いところに匙を入れたらすかさず「それはジンジャーだ」とジョン。生姜アイスクリーム…、確かに生姜でした。イマイズミコーイチのアイスはなんかカエルの蚊取線香入れみたいな白い器に盛られていて一人だけお子さま席みたいになっていた。自分のプリンは、何というか最近日本ではあまり無くなったタイプのプリン、ハウスのプリンミックスの高級版、といった味、ある意味なつかしい。

 フィリップ達は明日の計画を話しているようだったが、ちょろちょろ聞いたところでは「ウブド」という山岳地帯に車で行くつもりらしかった。ジョンが、「君らも行きたければ車を手配するから」と言うのだがウブドって何。判らないので行きたいとも行きたくないとも言えず、でも自分は昨夜のクーラーのせいか若干風邪気味で、これでバリバリ山とか行ったら倒れるかも、と少々及び腰。食事は終わり、席を立つときにフィリップBFに「山行くんだって?」と聞いたら彼はその澄んだ(本当)瞳でこっちをじっと見つつニコニコして「うん、君らとね」と言うのでわちゃあもう決まってんのかオレらの山行きは。

 歩いて飲みに行こう、と店を出て、どこをどう歩いたのか判らない(大した距離ではなかった)もののやがて例の"Q Bar"の辺りに出る。夜なので営業中だが、今日はジョンがいるもんね、と気がラクである。上映会場であるバー"Kudos"("Q Bar"向かい)の入り口にはきれいなお姉さん(男性)がいてジョンと話をしている(彼女が翌日の上映時にMCをやってくれた)。"Kudos"は大きな建物だが、道に接した入り口と建物との間はオープンエアーの席になっていて、建物に向かって右側はコンクリートで固めた段々が座席に、左手は可動式のテーブルと椅子が置いてある。建物正面には大きなモニターがあるのでもしかしてこれに映すのかなあ、と思っていたらジョンが、「明日の上映方式はまだ決まっていないのだけど、屋外でやる」と言う。え、やっぱ外ですか。向かいの"Q Bar"は連日「オカマ・ショー」らしいですけど、大丈夫なんかなあとちょっと心配になるが、如何せんクラブなのでどこでやっても多少はうるさいでしょう、とお任せすることにした。ジョンはフィリップ達と飲んでいくと言うのだが、自分は風邪気味なのでパスして、他の2人もそれでいいよ、と言ってくれたので3人でホテルに帰ることにした。ジョンは「明日はみんなで朝ご飯を食べよう、迎えに行く」と言ってくれたので時間を約束して、すかさず向かいのバーから「ハロー」とか声が掛かるのをかわしながら部屋に戻った。


"Kudos"入り口、ぼやっと写っているのが映画祭のポスター

 やっぱ落ち着くねえ、と「田口さんの」部屋に座ってまたビールなど(自分もちょっと飲んじゃった)。さて、とガイドブックを開いてさっきのウブドってのは何だろう、と調べたらやっぱ内陸地で、車で1時間くらい。伝統芸能鑑賞をするのにはいいところのようだけど、移動も含めて正味5時間くらいでとんぼ返りするのは厳しいかなあ、行くならゆっくり行きたいよね、と目下体力が落ちている自分はちょっと引き気味。田口さんは、これは口癖のように「僕はもうこの周辺にいられるだけで充分満足」と言うし、イマイズミコーイチも「明日はプールサイドでマッサージ…」とか言っているので多分ナシかな。一応明日の朝食の席で話を聞いてみて、そこで3人多数決で決めましょう、と言うことになったのだが自分以外の2人が「じゃあ気取られないように符丁を決めて」などと言いだし、田口さんは「僕がうっかり水をひっくり返したら『行く』で、僕がうっかりけつまずいて転んだら『行かない』(逆だったかも)」と難しいことになり、イマイズミコーイチはイマイズミコーイチで「これ(なんかヘンなポーズ)が『行く』でこれ(別のヘンなポーズ)が『行かない』」とかやりだし、で、イワサくんは、と自分にまで合図を聞いてくるのでめんどくさくなり「じゃあ指2本で『行く』3本で『行かない』」と言ってみたら途端に2人から「そんなんじゃダメ」とお叱りを受ける。なんでだよ、そもそも憶えていられんのか明日まで。

 イマイズミコーイチは部屋に備え付けのホテル案内を熟読しだし、レストランメニュー見ながら「朝ご飯は…」とかぶつぶつ言っている。明朝はジョン達と外食ですよ、と言うのだが「判ってるよ、でも3つから選べる訳じゃない、何が違うのかなあ、と思って」と更に読解を進め、「アメリカン、ってのが一番高い」と言い出す。そうすか、でどれが良さそう?と聞くと語りだす。

イ:「コンチネンタル、ってのはフルーツとパン+お茶かコーヒーで、アメリカンはそれに卵とベーコンとかが付く。
   インドネシアンはパンとおかずの代わりにナシゴレン(炒め飯)かミーゴレン(炒め麺)だって」
自:「ふーん」
イ:「コンチネンタルってのが一番高いのかと思ってた。ほら、アメリカンって安そうじゃん、イメージ的に」
自:「そう?」
イ:「安そう」
自:「アメリカンコーヒーってのは薄いんだよね」
イ:「そうじゃなくて、なんか安そうなのアメリカンって単語が。でもメニューで見たら一番高いんだよ」
自:「ふーん」
イ:「だから今度はインドネシアンにしてみよう、ナシゴレン頼もう」
自:「そう?」

 という不毛な会話が延々続くので隣で聞いていた田口さんは呆れ、「下らなすぎるぞおまえたち、帰れ」と言うことで本日のミーティングおしまい、また明日。


ホテルの看板にはヤモリくん、周りにはコウモリ


2007.0830 ジャカルタへ
2007.0831 ジャカルタ第一回上映+写真展
2007.0901 ジャカルタ第二回上映  ↓
2007.0902 ジャカルタ第三回上映+写真展撤収
2007.0903 バリへ
2007.0904 オフ一日目
2007.0905 オフ二日目
2007.0906 バリ第一回上映
2007.0907 帰日