2010.1016 SAT

 11時頃に起き、朝飯は間に合わないので仕方が無い。自分は本格的に日焼けが剥け始めていて特に顔がボロボロですが取りあえず荷造り。今回が本当に最後のパッキングで、大したもの買ってませんけど各種パンフレットやらバンクーバーお土産セットやらでニュースーツケースはパンパンです。でかいのを買っておいてよかった。よかったですが同じく新調したイマイズミコーイチのかばんは何でか鍵を閉めても勝手にロックが開いてしまうので「何これ、不良品?」と何度も開けたり閉めたりしている。一通り終わって出る前に、とカルロスに挨拶に行く。パンツにTシャツ、つう寝起きの格好のまま出て来たカルロスと写真を何枚か撮ってまたどっかでね、とさようならをする。彼も明日くらいに帰国するはずだ。下に降りフロントでチェックアウトをする。ええと、男しか居ないところで全裸になって泳ぎたい人にはいいホテルなんでは無いんでしょうか。ジョンに電話をしておいたのでしばらくすると迎えが来て、歩いても行ける距離だけどでかい荷物があるので車はありがたい。積み込んだスーツケースはそのまま車中に入れたまま、僕らは今日も人んちに来ました。


突撃となりの朝ご飯

 「おはよう、泳いでもいいよ」とジョンは言うのだが水着は車の中だし寝てましょう、とソファを見ると昨夜の豪雨で濡れたのかマットレスが1つ撤去されていて、座るところは1つしか無い。「ああそうだ、お茶とか飲む?」とジョンがテーブルを示すので見るとそこには盛大に食い散らかされた朝飯が残っているので嬉々として残飯をあさるチームハバカリ。このフルーツはやばいか、何か虫がたかってるけど、と思いながらもけっこう食ってしまう。ちょうど従業員が片付けに来たので自分たちが食べるものだけを残してテーブルはきれいになって、自分は相変わらずパンにバターを塗りながら向こうに見える、PCに向かうジョンの背中を眺めている。今日も上映はかなり縮小しているのだろう、スタッフの子も水着になってぞろぞろ出て来ては泳いだり写真を撮り合ったりなどしている。あ、上映ディスクを受け取っておこう、とフィルムコーディネーターのハリー(昨夜付き合ってくれたハリーとは別のハリー、スペルが違うんですが片仮名だと同じになってしまう)に返してもらったDVDケースの、自分のは空なので慌てて「ハリー」と呼びかけると「別の」ハリーが「なに?」と来てしまったので(ややこしい)「ごめん、Haryのほう」と呼び戻してすんでのところで無事回収。

 しばらくするとジョンが「済まないが自分は出かけないといけない。ハリー(Hallyのほう)が君らを空港まで送る」と言う。じゃあここでお別れだ、インドネシアでは本当にありがとう。恐らく来なかった方が彼らに取ってはラクだったとは思うのだけれど、まあそうもいかず。来年また、とは言っていたが、現状からすると難しそうだ。ジョンがツイッターで書いているものを読むに付け、胸がちょっと締め付けられるような感じがするのだけれど僕らにはどうしようもなく、何にせよインドネシアでなくてもどこかでまた近いうちに会えるといいと思う。ジョンを見送って更に1時間くらい、自分たちは何をするでも無しにうつらうつらしていたがハリーがやってきて「そろそろ行こうか」と言う。ついでに昼飯かどっかへ行くのか残っていた他のスタッフも車に分乗しだすが、空港に行くのは僕らの車だけなのでここでお別れになるスタッフに手を振り、まあゲストでもないので今回は交流が微妙に少ない感じでしたが、またね。空港に行くまでの道は昨日の雨であちこち冠水しており結構ひどいことになっている。車はまだいいとして、バイクはかなり危なそう、タイヤが3分の1くらい水没したままのろのろ走っているので、見ているだけでもおっかない感じがする。


水没ドライヴ

 空港に着いた。ハリーや同乗していたみんなにありがとうを言って、去って行く車を見送る。これが最後のフライト、だといいんだけどあと3つある。一服してから建物内に入り、イマイズミコーイチは鍵の不安なスーツケースをラップでぐるぐる巻きにするサービスを受けてさてこれで一安心、バタビアエアーの発券カウンターで「ワタシニホンゴ、スコシ、ワカリマス。スコシネ」と無駄にキュートな笑みを浮かべる係員に「(この便は目下)おくれてますか」と聞いても判らないようなので「Now delay?」と言うと自信満々に「No, on time」と胸を張るのだったが非常に怪しい、大体ボードには搭乗口が18番てあるのにチケットには17番て書いてあるし、と思いながらロビーで待つが、大混雑していて落ち着く場所も無い。そして案の定2回に分けて30分づつ(要は一時間)遅れたうえに最終的な搭乗ゲートは15番になりました。しかもアテンドがないので危うく違う飛行機に向かうバスに乗ってしまうところでした(僕らの便はすぐ目の前にあった)。ちなみに今回の座席は非常口付近ではありませんでした。

 ジャカルタ到着。遅れはしたものの次のソウル便には充分間に合うのでチケットを買い直す必要は無くなりました良かった。行きとは逆に国際線へ移動して出国手続き、何故か自分だけ「ヴィザの領収書を見せなさい」と言われましたが何だったんだろうか。旅行中はどんなくだらない紙類でも捨てずに取っておく習性が幸いしてほらよ、と見せたら通してくれましたが本当に何だったんだろ。搭乗時間までは2時間半くらいあるのでまたいつもの喫茶店でお茶かな、と出発前に諸事情により結構余ってしまったインドネシアルピアを両替しないといけないが、できればギリギリまで持っておきたいので両替所に行って何時まで開いてるか聞くと搭乗時間を過ぎても開いているらしいのでじゃ後にしよう、と喫茶店に向かおうとした。とそこへ眼に入って来たのは空港内に設置してある韓国LG製のモニターで、あろうことか「MILK」を流しておる(しかもインドネシア語字幕付きで)。よりによってこんな見送りを、しかも自分らが帰国する時にしなくたっていいじゃんか、とモニターを蹴り上げたくはなるのでしたが我慢して、ショーン・ペンが何やら喋っているシーンを写真に撮って通り過ぎる。


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 行きも寄った「コピ・ルアック1000円」の店でネットにつないでまずはジョンに「飛行機間に合った、ありがとうこれから帰ります」とメールをして、かなり高いけど最後にビンタン飲んじゃえ、とお茶の後でビール。ソウル行きの便なので他のお客さんはほとんど韓国人だ。自分の用事は終わったのでイマイズミコーイチがコンピュータを使っているのをぼんやり眺める。旅の総括は、ねえよそんなもん、と心の中で念仏のように呟く。搭乗時間近くになったので店を出てさっき閉店時間を聞いた両替所に行くと「日本円、もうナイ」と意外な展開、仕方が無いのでもう1つの両替所に行くと「一万円札しか無いので替えられるだけでいいか」ということで千円ちょっとくらいの現地通貨が余ってしまいましたがもう買うもんないね、あ〜機内用にお菓子買っておこう、と売店でチーズビスケットを買ってから乗り込む。さよならインドネシア、(現地)時間は午後10時。


2010.1017 SUN

 機内で日付が変わり、ソウル仁川空港に着いたのが午前7時。あんまり寒くはないけど周りの人はみんな長袖、そりゃそうだ。自分はリュックに入っていたジャケットを羽織り、滑走路の上に登りつつある朝日を眺める。次の出発までは2時間足らずなのでお茶を買って少し休んだら次は成田便だ。それにしても眠い。朝が早いので今回は誰にも電話はしない事にして最後の搭乗ゲートを目指す。19日間で11便、我ながらよく乗ったもんだと思うけど今はもう早く家に帰って平らなところで眠りたい、と思うのみ。フライトは2時間程度で成田空港に到着して、荷物(イマイズミコーイチのはラップでグルグル巻きのまま)を転がして税関に向かい、「今回はどのようなご旅行で」「カナダとインドネシアの映画祭に参加して参りました」と答えると「そうですか」と荷物は開けられずに通過、やっぱ正直に旅行目的を言う方がいいんでしょうかね。外の喫煙所に入り、いつもの事ながら帰国時の自分の顔はひどいことになってるわ、とそこらじゅう剥がれてくる皮膚をむしりながらイマイズミコーイチはバスで、そして自分は電車で帰る。成田ー自宅がソウルー成田と同じ時間かかる、というのがどうも納得いかないなあ、と思いながら。


ソウル


インドネシア・ジャカルタ編
2010.0929 成田発仁川経由ジャカルタ行
2010.0930 二泊目
2010.1001 三泊目
2010.1002 「傘脱」上映

カナダ・バンクーバー編

インドネシア・ジョグジャカルタ編
2010.1008 香港経由ジャカルタ経由ジョグジャカルタ行一泊目
2010.1009 二泊目
2010.1010 三泊目
2010.1011 四泊目
2010.1012 五泊目
2010.1013 ジョグジャカルタ発バリ行

インドネシア・バリ編
2010.1014 クロボカン2時間徒歩
2010.1015 長編1本
2010.1016 バリ発ジャカルタ経由仁川経由成田行